特集 がん看護キーワード15 ~がん看護実践の基本~
【がん患者と家族の理解】
予期悲嘆
近藤 恵子
1
Megumi KONDO
1
1独立行政法人地域医療推進機構九州病院 看護の質向上支援室,がんセンター/がん看護専門看護師
pp.254-257
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango29_254
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予期悲嘆とは
予期悲嘆(anticipatory grief)とは,差し迫った喪失を予期することによって起こる悲嘆反応であり,Lidemann (1944)は,「喪失が予測される場合,実際に喪失以前に喪失に伴う悲嘆が開始され,喪失に対する心の準備が行われること」と定義している1).予期悲嘆は,患者の死が近いことを予期した家族にみられる悲嘆として使用されること多いが,患者自身も経験することがAldrich (1974)によって明らかにされている1).
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