私の印象
資本の投入は予期した以上
坂倉 ナミ
1
1富山赤十字病院
pp.70
発行日 1967年10月1日
Published Date 1967/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913363
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朝やけ輝く雲のあいまから平和なハワイの姿が視界に開けたと思うと,JL72機はそのたくましい翼をホノルル空港にやすめた。日本人移民の手に成ったクワキニ病院をはじめとして旅の疲れなど感じるまもなく,予定された行動に張り切っていた。そしてさらにシアトル,サンフランシスコ,ロスアンゼルスと飛んだが,始めて見るアメリカの病院は予期した以上に資本の投入が豊かで,そこで働くナースの姿は,体格の立派さばかりではなく徹底した看護教育の下に築かれたすばらしいものであった。想像以上の人材を使っての十分な治療看護は申すに及ばず,これまた存分の医療費を聞かされて目を丸くした。ただし,その底に流れる看護の本質は,アメリカも日本も他のどの国においても同じであろう。善意に満ちた多くの人びとに接し,同じ道を歩む者として私は勇気づけられた。一地方の病院で,アメリカの看護にはほど遠いとしても,それに劣らぬ看護の姿をいろいろ描いてそれに向かって努力したい。
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