Japanese
English
特集 脳卒中のリハビリテーション
脳卒中の内科的治療の適応
Medical Treatment of Stroke.
山之内 博
1
,
竹越 国夫
1
,
内山 伸治
1
,
東儀 英夫
1
Hiroshi Yamanouchi
1
,
Kunio Takegoshi
1
,
Shinji Uchiyama
1
,
Hideo Tohgi
1
1東京都養育院付属病院神経科
1Department of Neurology, Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital.
キーワード:
脳卒中
,
内科的治療
,
代謝異常
,
ステロイド剤
Keyword:
脳卒中
,
内科的治療
,
代謝異常
,
ステロイド剤
pp.451-459
発行日 1976年6月10日
Published Date 1976/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103565
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はじめに
脳卒中は一旦発症すると,生命の予後の面からも,機能の面からも,広くは社会生活の面からも悲劇的な場合が少なくない.高血圧性脳出血の原因としては小動脈の血管壊死が,血栓性脳硬塞の基盤としてはAtherosclerosisが考えられており,両者共高血圧の存在が重要な因子の1つと考えられている.したがって予防の面からは,高血圧その他の危険因子についての十分な管理が望まれる.一旦発症した場合には早期に正しい診断をくだし,早期より適切な対策を立てることが重要となってくる.
近年,脳神経外科学の進歩に伴い脳血管性障害の外科的治療の適応が広くなりつつある.したがって,発症早期における正しい診断はますます必要となってくる.しかし,日常の診療に際しては,真の脳卒中か否か,あるいは脳出血か脳硬塞かといった最も基本的かつ単純と思われることにさえ迷うことが少なくない.また,外科的治療の対象になり得るとされている脳卒中でも,時期あるいは状況によっては必ずしも全例がその適応となるとは限らない.この論文では,診断上の問題点,内科的治療にすべきか外科的治療をなすべきか,内科的治療の問題点,について著者らの経験した症例を中心に述べる.
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