Japanese
English
症例報告
多発した老人性脂腺増殖症の1例—液体窒素療法が著効
A Case of Multiple Senile Sebaceous Hyperplasia: Successfully Treated with Cryotherapy
沼田 和代
1,2
,
岩原 邦夫
1
Kazuyo NUMATA
1,2
,
Kunio IWAHARA
1
1江東病院皮膚科
2沼田医院
1Department of Dermatology, Koto Hospital
キーワード:
老人性脂腺増殖症
,
液体窒素療法
,
ステロイド剤
Keyword:
老人性脂腺増殖症
,
液体窒素療法
,
ステロイド剤
pp.1053-1056
発行日 1992年11月1日
Published Date 1992/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900767
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60歳男性.約20年前より,顔面に小豆大位の小結節が出現.数年間のうちに多発してくるも放置していた.初診時,顔面,頭部に直径2〜15mm大の中心臍窩をもつ小結節が100個以上存在していた.病理組織像は,開大した毛包と,その周辺に脂腺小葉が多数増殖し,典型的であった.また,本症例は喘息の治療として,プレドニン10mg/日を30年間内服中であった.治療として,液体窒素療法を週1回部分的に施行し,皮疹はほぼ消失した.その後プレドニンの内服は継続中であるが,ほとんど再発は認められない.液体窒素療法は手軽であり,老人性脂腺増殖症においては,直径15mm大の大きなものにも効果的であり,また顕著な瘢痕も残さないことから,治療の第一選択にあげられるものと思われる.
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