特集 外来で「複数の疾患」をもつ患者を診る─マルチモビディティの時代のプライマリ・ケア
【併存疾患のある慢性疾患管理】
糖尿病と併存疾患—ステロイド治療を要する疾患の合併
片岡 仁美
1
,
和田 淳
2
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 地域医療人材育成講座
2岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 腎免疫内分泌代謝内科学
キーワード:
ステロイド剤
,
食後過血糖
,
DPP-4阻害薬
,
COPD
,
IgG4関連疾患
Keyword:
ステロイド剤
,
食後過血糖
,
DPP-4阻害薬
,
COPD
,
IgG4関連疾患
pp.1103-1107
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200409
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
糖尿病のコントロール悪化が診断の契機となったIgG4関連疾患の一例
患者:60歳,女性.
家族歴:特になし.
現病歴:42歳時に糖尿病と診断され,経口血糖降下薬を開始した.60歳時,4カ月間で8kgの体重減少をきたし,血糖コントロールが急激に悪化したため(HbA1c 6→8%),当院を紹介受診した.身体診察にて涙腺・唾液腺の腫脹を認め,腹部超音波にて膵臓のソーセージ様の腫大を認めた.唾液腺生検にて「IgG4関連疾患」と診断し,プレドニゾロン30mgから治療を開始.治療前のインスリン分泌は著明に低下しており,血糖コントロールも一時的に悪化したため速効型インスリンを導入したが,数カ月後にはインスリン分泌は改善,血糖コントロールも良好となった.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.