特集 外来で「複数の疾患」をもつ患者を診る─マルチモビディティの時代のプライマリ・ケア
【併存疾患のある慢性疾患管理】
関節リウマチと併存疾患—複合疾患群(マルチモビディティ)としての治療戦略
津田 篤太郎
1
1聖路加国際病院 リウマチ膠原病センター
キーワード:
マルチモビディティ
,
コモビディティ
,
間質性肺炎
,
薬剤副作用
,
ステロイド剤
,
NSAIDs
,
悪性腫瘍
,
生物学的製剤
,
日和見感染症
Keyword:
マルチモビディティ
,
コモビディティ
,
間質性肺炎
,
薬剤副作用
,
ステロイド剤
,
NSAIDs
,
悪性腫瘍
,
生物学的製剤
,
日和見感染症
pp.1116-1122
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200412
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Case
関節リウマチの治療中に発熱・呼吸困難をきたした一例
患者:73歳,男性.
既往歴:65歳時,前立腺癌で放射線小線源治療を受けた.71歳時,左下肢静脈瘤手術,脂質異常症.
家族歴:特になし.
現病歴:48歳時に「関節リウマチ」と診断され,他院でメトトレキサートの投与を受けていた.
X年1月頃より発熱・盗汗の症状が出現し,その後半年で約5kgの体重減少がみられた.同年5月初旬,自宅で右下腿を打撲し,その後創部に発赤・熱感が出現した.同月20日に,近くの皮膚科医院で外用剤を処方された.その後,発熱・悪寒が出現し,階段昇降時に呼吸困難を訴えるようになったため,同月23日に当院救急外来を受診された.
血液検査所見:WBC 2,600/μl,Hb 11.3g/dl,Plt 38万/μl,BUN 23.7mg/dl,Cr 0.79mg/dl,AST 93IU/l,ALT 210IU/l,LDH 902IU/l,ALP 604IU/l,T-Bil 4.8mg/dl,CK 41IU/l,CRP 7.17mg/dl.
画像所見:胸部単純X線では右中肺野に網状影,造影CTでは右頸部・両側腋窩・鼠径部にリンパ節腫脹,肺には両側上葉に小葉撒布性の病変を認めたほか,胆囊胆石と肝腫大も認められた.
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