今月の主題 細胞接着因子
総説
細胞接着因子の生物学的意義と臨床への応用
下岡 正志
1
,
林 正男
2
Tadashi SHIMOOKA
1
,
Masao HAYASHI
2
1岩城硝子(株)バイオ技術部組織培養研究室
2お茶の水女子大学理学部生物学科
キーワード:
細胞接着因子
,
マルチドメイン構造
,
インテグリン
,
RGDペプチド
,
情報伝達
Keyword:
細胞接着因子
,
マルチドメイン構造
,
インテグリン
,
RGDペプチド
,
情報伝達
pp.1719-1724
発行日 1990年12月15日
Published Date 1990/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900424
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細胞接着因子は,細胞の接着・伸展・移動・増殖・分化や食作用,血液凝固など,多くの生命現象にかかわっている.構造的な特徴としてマルチドメイン構造をもち,分子内に多くの機能を分散させている.多種類の接着因子が存在し,接着因子に対するレセプターも多種類発見されている.それらの関係は1対1の対応ではない.この状況下では,接着因子と細胞の間で多量の情報のやりとりが可能である.生物はこの情報量をうまく利用して,さまざまな生理作用を調節している.細胞接着因子あるいは関連する合成ペプチドが,病気の診断や治療に応用され始めている.
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