透析医療と合併症 キュア&ケアガイドブック
災害対策 CQ 59 透析患者の災害時における対応・対策はどのように行いますか?
宮崎 真理子
1,2,3
,
藤倉 恵美
2,3
,
山本 多恵
2
,
中道 崇
2
,
福士 太郎
3
,
吉田 舞
3
1東北大学大学院医学系研究科腎・高血圧・内分泌学分野
2東北大学病院腎・高血圧・内分泌科
3東北大学病院 血液浄化療法部
キーワード:
災害時透析
,
緊急離脱
,
情報伝達
,
高カリウム
,
心不全
Keyword:
災害時透析
,
緊急離脱
,
情報伝達
,
高カリウム
,
心不全
pp.924-927
発行日 2018年6月20日
Published Date 2018/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000583
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Ⅰ医学的背景
透析患者は災害で透析治療が受けられなくなると短期間で生命に危険が生じる.
透析患者は高齢,並存疾患,活動性低下など,予備力に乏しい.
透析医療は設備や装置,水道,電気,医療資材,熟練した医療職を必要とするため,災害に対して脆弱なシステムの上に成り立っている.
Ⅱキュア
災害が起こる前の対策では,設備や装置の対策,災害対策マニュアルや事業継続計画をつくる.
発生時に災害の直接被害から身を護る.
災害発生直後から48時間の行動様式のあり方が重要.
できるだけ短時間で災害前の状況に戻すために復旧の取り組みが必要.
Ⅲケア
平時から災害時にどのようなことが起こりうるか患者の理解を得る.
災害発生時,自身の安全を守るためにどうすればよいか患者に指導する.
被災して支援透析を受ける場合,被災者を受け入れる支援透析での個別性への対応には限りがある.
被災した患者の予後を悪化させないための中長期的なケアが必要.
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