Japanese
English
研究と報告
膝関節の屈筋と伸筋の筋力について
Energy output of knee joint muscles in flexion and extension.
大井 淑雄
1
,
御巫 清允
1
,
塚本 創一郎
2
Yoshio Ooi
1
,
Kiyonobu Mikanagi
1
,
Soichiro Tsukamoto
2
1自治医科大学整形外科
2東京女子医科大学整形外科
1Dept. of Orthopedics, Jichi Medical School.
2Dept. of Orthopedics, Tokyo Women's Medical College.
キーワード:
膝関節屈伸筋
,
筋力
,
Cybex machine
,
isokinetic
Keyword:
膝関節屈伸筋
,
筋力
,
Cybex machine
,
isokinetic
pp.577-582
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103180
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Ⅰ.はじめに
膝関節は下肢において最もしばしば外傷を受けやすい関節である.大腿骨骨折や下腿骨骨折などの直接膝関節に及ばない外傷でもその治療の過程では常に拘縮という問題が膝関節につきまとって来る.膝関節の関節可動域を正常に保持し大腿や下腿の筋力を増強させ萎縮を防ぐことが後々の機能回復にどれほど重要であるかという事は衆知の事実である.そのような整形外科医の実地の要望にも関係することでもあり筋力を比較的容易に測定し得ることが出来れば便利であろう.筋電図学的研究は筋肉の細胞単位での活動状況の大小にかなり精密な情報を与えるけれども実地医家に必要な関節周辺における筋の粗大力を表わすものではない.しかもその収縮速度はたとえば等張性収縮isotonic contractionでは一定でなく,従って得られた筋活動電位の図の積分値が厳密には筋の出力を示さない.もし収縮速度を人為的にもせよ一定にコントロール出来るような工夫がなされれば収縮速度の時間的変化がないわけであるから,得られたトルク曲線の積分値はすなわち筋出力を示すものである.そして速度が一定であるため得られた曲線からその関節の任意の角度における筋力の測定も可能という便利なことになる.このような点を可能にしたものが一連の等運動量性(等速性)isokinetic exercise machineと呼ばれる運動機器で,いってみればコロンブスの卵かもしれないが,非常に優れた考案であると考える.この機器Cybex machineを用いて膝の屈筋と伸筋がどのような力を出すことが出来るかを検討して見た.
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