--------------------
編集後記
鹿
pp.896
発行日 2005年9月10日
Published Date 2005/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102798
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
「今日の座談会は分かりやすくて良かった」と思っても,後で速記録の整理をしていると,出だしと最後が違っていたり,自分の主張がいつのまにか相手の意見になっていたり,議論が全然かみ合っていないのに相槌を打っていたり,というようなことがよくあります.後日速記録をご覧になって,結局,ご自分でもよく分からなくなり,「きみ,適当に直しておいて」なんていう先生もなかにはおりまして…….でもいつでも座談会はスムーズに進行していたのですから不思議.特集の高橋論文で紹介されているように,「実際にことばによって判断されるのは7%,残りの93%は非言語コミュニケーションに頼っている」ということですから,これも当たり前のことなのです.ところで最近は意思の疎通が難しい時代と言われています.コミュニティ(共同体)が健在で,共通認識の土台がきちんとしていればコミュニケーションもうまくいくのでしょうが,社会が成熟するとそう単純な話でもなくなるようでして,混沌の中で方策を模索中というのがわれわれの現在の状態ではないでしょうか.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.