学会報告
第32回中国四国リハビリテーション医学研究会(1)―2011年6月26日(日),於:徳島大学
安井 夏生
1,2
1徳島大学医学部運動機能外科
2徳島大学病院リハビリテーション部
pp.935-938
発行日 2012年6月10日
Published Date 2012/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102573
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1.座位2重課題トレーニングの効果―若年者と高齢者での比較
マツダ(株)マツダ病院リハビリテーション科
高野 英祐
鳥取大学保健学科 萩野 浩
本研究は座位で2重課題トレーニングを実施し,その有効性を検討することを目的とした.〔対象・方法〕対象は若年健常者(若年者)20名と整形外科術後高齢者(高齢者)16名で,それぞれ2重課題群と単一課題群に分けた.運動課題は座位右足関節背屈運動,認知課題はserial-3とし,トレーニング中の筋活動,トレーニング前後の立位重心動揺を測定した.〔結果・考察〕高齢者は2重課題トレーニング後の開脚立位重心動揺が有意に減少した.これは,感覚情報を統合する機能が向上したことによると考えられる.また,%MVCは若年者,高齢者ともに2重課題のほうが低値を示し,全体的に高齢者のほうが高値を示した.この理由として,若年者は2つの課題を同時に行う場合,限られた注意機能の分配を効率的に行っている可能性が考えられる.以上の結果から,高齢者に対する座位2重課題トレーニングが有効である可能性が示唆された.
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