書評
坪田貞子(編)「臨床ハンドセラピィ Our Hand Therapy Protocol」
平地 一彦
1
1市立札幌病院整形外科
pp.96
発行日 2012年1月10日
Published Date 2012/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102349
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手が病気や怪我によって痛み,動かなくなるとたちまち生活に支障がでます.手には特殊な解剖と緻密な機能が存在するので,手の治療に特化した手外科とリハビリテーションとしてのハンドセラピィがあります.ハンドセラピィとは温熱療法,マッサージ,関節可動域訓練などの物理的刺激を介し,治癒に導く治療です.この書はハンドセラピィの基本的な介入方法を臨床現場の実践に即して解説してあります.すでにハンドセラピィを実践している人,またはこれから始めようとする人のために,豊富なイラストを用いてわかりやすく記載してあります.
編集は坪田貞子教授で,作業療法士として43年間の経歴を持ち,日本のハンドセラピストのパイオニアで,北海道におけるハンドセラピィの生みの親として活躍してこられた先生です.ハンドセラピィという言葉が知られていない時期から札幌医科大学附属病院で治療にあたり,手外科の手術を見学し,回診に参加し治療方針を検討するという組織的なハンドセラピィを築いてこられました.札幌医大は石井清一先生をはじめ著名な手外科医を擁し,ここでの豊富な臨床経験や大学教育で培われた実績がこの一冊の本に凝縮されています.
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