Japanese
English
紹介
外傷性肘関節拘縮に対するコンバート式スプリント療法
Convertible splint therapy for post traumatic elbow joint contracture.
石井 誠二
1
,
森田 哲生
2
,
中村 哲郎
3
Seiji Ishii
1
,
Tetsuki Morita
2
,
Tetsurou Nakamura
3
1社会医療法人財団大樹会総合病院回生病院リハビリテーション科
2社会医療法人財団大樹会総合病院回生病院整形外科
3松原メイフラワー病院手の外科
1Department of Rehabilitation, Social Medical Treatment Corporation Taijukai, Kaisei General Hospital
2Department of Orthopaedic Surgery, Social Medical Treatment Corporation Taijukai, Kaisei General Hospital
3Department of Hand Surgery, Matsubara Mayflower Hospital
キーワード:
肘関節
,
関節拘縮
,
スプリント療法
Keyword:
肘関節
,
関節拘縮
,
スプリント療法
pp.1205-1208
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102307
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はじめに
肘関節は,骨折などの外傷後に不動・固定を強いられることによって容易に関節拘縮を惹起するため,手術によって解剖学的整復位が得られれば,可及的早期に関節可動域訓練(以下,ROM ex)を開始する必要がある.しかしながら,肘関節の可動域は外傷後の腫脹や浮腫による制限を受けやすく,しばしば日常診療において拘縮発生後の可動域改善に難渋する症例を経験することがある.このような外傷後の肘関節拘縮に対するリハビリテーションとしては,従来より物理療法や徒手的な治療に加えて装具療法1-7)が併用されており,その有用性が報告されているものの,orthosisを用いた報告が散見され,splintを用いた報告例はきわめて少ないのが現状である.
今回,われわれは外傷後の肘関節軟部組織性拘縮に対して,術後早期から,より円滑で,安全かつ効果的な屈曲可動域獲得への取り組みを模索した.そこで,組織の修復時期や治療段階に応じて安静固定目的として使用した肘関節安静用スプリント(elbow immobilization splint;EIS)を一部修正し,徒手での訓練の補助として肘関節の屈曲可動域改善を促す肘関節矯正用スプリント(elbow flexion splint;EFS)への転用を図るコンバート式スプリント療法を考案した(図1).
新しい方式でのスプリント療法を併用した経過から,その効果について若干の知見を得ることができたので,考察を踏まえて報告する.
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