Japanese
English
講座 磁気刺激の臨床応用・第2回
神経内科領域
Clinical Application of Transcranial Magnetic Stimulation to Neurological Disorders.
望月 仁志
1
,
宇川 義一
1
Hitoshi Mochizuki
1
,
Yoshikazu Ugawa
1
1福島県立医科大学医学部神経内科学講座
1Department of Neurology, School of Medicine, Fukushima Medical University
キーワード:
磁気刺激
,
神経疾患
,
パーキンソン病
,
脊髄小脳変性症
Keyword:
磁気刺激
,
神経疾患
,
パーキンソン病
,
脊髄小脳変性症
pp.965-969
発行日 2011年10月10日
Published Date 2011/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102238
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はじめに
磁気刺激法(transcranial magnetic stimulation;TMS)が発明されてから,臨床応用に至るまでの歴史,その安全性については,既に前号(39巻9号)にて述べられている.本号では,磁気刺激法の神経内科疾患への臨床応用について述べる.これには,主に2つの側面があり,単発および二発磁気刺激法を用いた補助診断もしくは病態評価のための検査としての一面と,主に反復磁気刺激法(repetitive transcranial magnetic stimulation;rTMS)を用いて中枢神経系の興奮性を変化させることによる治療としての一面である.検査としては,運動誘発電位による中枢運動伝導時間の測定1),silent period(被検筋を随意収縮させている状態で大脳皮質運動野を単発磁気刺激すると,約200ms程度筋放電が抑制される現象)による運動野興奮性の評価,大脳磁気二発刺激法による運動野皮質内の抑制機構の評価,両側運動野に対してタイミングをずらして二発磁気刺激を行い,対側への抑制効果を定量して両側半球間連絡の評価などがある.これらの検査法については,既に多くの優れた総説2-4)があるので,ここでは割愛する.
rTMSは刺激部位に対して,刺激後も持続する抑制・促通効果をもたらすことが示されており,近年多くの神経・精神疾患の治療に応用されつつある.本稿ではrTMSにより大脳皮質活動性を変化させることにより神経疾患に対して治療効果をもたらすもの,もしくはもたらす可能性のあるものについて述べる.
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