Japanese
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特集 スポーツ障害のリハビリテーション
腰椎疾患・腰痛のマネージメント
Management for low back pain and lumbar disease.
舟崎 裕記
1
Hiroki Funasaki
1
1東京慈恵会医科大学スポーツ・ウェルネスクリニック
1Department of Sports and Wellness Clinic, Jikei University School of Medicine
キーワード:
腰椎
,
スポーツ障害
,
保存療法
Keyword:
腰椎
,
スポーツ障害
,
保存療法
pp.853-857
発行日 2011年9月10日
Published Date 2011/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102200
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はじめに
腰部はいかなるスポーツ競技においても身体の中心,いわゆるコアとして身体全体の支持のみならず,動作の力点あるいは運動連鎖の連結役として重要な役割を演じている.例えば,投球動作においては,下半身で蓄えた力を上半身へ伝える重要な連結部となっている.前足着地の際に,腰は身体の正面(右投げであれば3塁側)を向いていることが必要であるが(図1),この時,すでに投球方向に向いていると「腰が開く」という表現が用いられ,身体の回旋,力の伝達が有効に使えていないことを示している.また筆者らは,サッカーのキック動作の3次元動作解析を行ったところ,腰椎と連結する骨盤は,キックに際して矢状面における回転と横断面において軸足を中心とした回旋を行っており,キック動作における重要な起点となっていると考えられた(図2)1).
このように腰椎部はスポーツ動作にとって重要な機能を有しており,同部の障害は長期に及ぶほど,能力の低下を来す重大な問題となることから,適切な診断と治療を行うことが,早期のスポーツ復帰に重要となる.本稿では,腰痛を来す疾患の特徴と診断,さらにスポーツ復帰に向けた治療について概説する.
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