Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「英国王のスピーチ」―吃音障害と格闘しながら歴史と向き合う
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.815
発行日 2011年8月10日
Published Date 2011/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102186
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吃音の原因については,これまでも諸説あったが未だに不明である.かつては,左利きを右利きにする利き手の矯正や,親子関係の危機や不安などが原因だとされていたが,現在は否定されているようだ.
なるほど「英国王のスピーチ」(監督/トム・フーパー)でも,時の英国王ジョージ6世(コリン・ファース)の吃音の原因を幼少期の利き手の矯正やX脚の矯正,父から愛されなかったという父子関係に求めている.原因はさておき,吃音は喋り込んでいくうちに,自然に改善されていく例が多い.ジョージ6世の場合も結局のところスピーチセラピストのライオネル(ジェフリー・ラッシュ)の指導のもと,喋り込むことで改善に向かう.
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