Japanese
English
実践講座 痴呆をめぐる最近の動向 3
芸術療法,音楽療法,園芸療法,動物介在療法
Art therapy, music therapy, horticulture therapy and animal assisted therapy.
山根 寛
1
Hiroshi Yamane
1
1京都大学医学部保健学科作業療法学専攻
1School of Health Sciences Faculty of Medicine Kyoto University
キーワード:
補助的療法
,
芸術療法
,
音楽療法
,
園芸療法
,
動物介在療法
Keyword:
補助的療法
,
芸術療法
,
音楽療法
,
園芸療法
,
動物介在療法
pp.867-871
発行日 2004年9月10日
Published Date 2004/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100701
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はじめに
1970年代に始まったわが国の高齢化は,世界にも類をみない急速な進展をみせ,少子化もからみ,家族介護や女性の介護負担,社会保障給付費の増加など,多くの課題を引き起こしている.痴呆性高齢者の出現は高齢になるほど高くなり,65歳以上の人口の約7%が痴呆を来すと言われ,現在の痴呆性高齢者の数は160万人,2015年には262万人に増加すると推測されている1).
痴呆疾患治療病棟,療養病棟,老健施設,デイケアなどさまざまな施設ができたが,それぞれにおける処遇のあり方についてはまだ試行段階にあり,芸術療法,音楽療法,園芸療法,動物介在療法なども,レクリエーションやリハビリテーションの一環として医療や福祉にかかわらず試みられている.絵画,音楽,園芸,運動,遊び,仕事などの活動を用いる関わりは,古来より経験的に健康の維持や養生に用いられているが,どのような効果が認められるからなのだろうか.それらが医学的視点から療法として行われる場合は,近代西洋医学に対して補完・代替医療(complementary and alternative medicine)2)と呼ばれるものに含まれ,科学的な検証も試みられている.
本稿では,そうした芸術療法,音楽療法,園芸療法,動物介在療法などの起源や概要,痴呆高齢者に対する利用と効果などを概観する.
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