書評
二木 立(著)「民主党政権の医療政策」
藤谷 順子
1
1国立国際医療研究センター病院リハビリテーション科
pp.713
発行日 2011年7月10日
Published Date 2011/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102149
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総医療費の大幅引き上げのマニフェストを掲げて政権の座についた民主党の,その後の医療政策を分析したのが本書である.具体的には,2009年7月から2010年12月までの20の発表論文を,2011年2月に書籍として発行したものである.
著者の意見は,民主党の医療政策には,大きな二つのマイナス点があるというもの.一つは,民主主義的手続きの軽視,もう一つは,混合診療の解禁論の再燃である.一方,一般に政権交代の成果とされている2010年の診療報酬の引き上げは,実質的にはきわめてわずかであったことが示されている.総医療費の対GDP比をOECD加盟国平均値にというマニフェストは残念ながら実現されない見通しである.
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