Japanese
English
研究と報告
早朝起床直後における覚醒度と身体運動機能評価
The assessment of arousal level and motor functions after awakening in early morning.
若狭 正彦
1
,
上村 佐知子
1
,
大澤 諭樹彦
1
,
佐々木 誠
1
Masahiko Wakasa
1
,
Sachiko Uemura
1
,
Yukihiko Osawa
1
,
Makoto Sasaki
1
1秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻理学療法学講座
1Department of Physical Therapy, Akita University Graduate School of Health Sciences
キーワード:
早朝起床
,
覚醒度
,
身体運動機能
Keyword:
早朝起床
,
覚醒度
,
身体運動機能
pp.463-469
発行日 2011年5月10日
Published Date 2011/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102068
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要旨:〔目的〕転倒は早朝覚醒時に多いという報告がある.本研究の目的は,早朝起床直後の覚醒度と身体運動機能を就寝前と比較,検討することである.〔対象・方法〕対象は地域に居住する健常成人60~70歳の14名とした.就寝1時間前に,覚醒度(Critical Frequency of Fusion;CFF)と身体運動機能評価を測定し,また,身体運動機能評価としてTimed Up and Go test(TUG),Functional Reach test(FRT),静止立位時での重心動揺を測定した.そして睡眠5時間経過後,早朝4時に起床させ,直後に再度,上記の評価を行った.〔結果〕CFFにおいて,就寝前(33.1±2.1Hz)と比較して,起床直後(32.2±2.1Hz)における覚醒の程度は有意に低かった.また,TUGにおいて,就寝前(7.4±1.1sec)と比較して,起床直後(7.9±1.2sec)は有意に所要時間が増加していた.一方,FRTと重心動揺においては,就寝前と早朝起床直後との間に有意差はみられなかった.〔考察〕早朝起床直後には覚醒度が低下しており,これによってFRTや静止立位時の足圧中心は影響が及ばないものの,TUGに影響を与え,その値は増加を示した.以上より,早朝起床直後は,覚醒度の低下や比較的課題負荷の大きい身体運動機能に悪影響を及ぼすのではなかということが示唆された.
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