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実践講座 脳卒中急性期に活用可能な評価スケール・第1回【新連載】
脳卒中急性期評価の概要
Assessment of stroke rehabilitation scale in acute stage.
原 寛美
1
Hiroyoshi Hara
1
1社会医療法人財団慈泉会相澤病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Aizawa Hospital
キーワード:
脳卒中
,
急性期
,
MRI
,
NIHSS
Keyword:
脳卒中
,
急性期
,
MRI
,
NIHSS
pp.455-461
発行日 2011年5月10日
Published Date 2011/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102066
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はじめに
今日,脳卒中治療は,急性期虚血性脳血管障害に対する遺伝子組み換え組織型プラスミノーゲン・アクティベータ(recombinant tissue-type plasminogen activator;t-PA)の保険適応(2005年),さらにischemic penumbra(虚血状態にあるが梗塞に陥っていない領域)の概念の導入1)などにより,発症直後からの早期介入が治療効果を高めることが明らかにされ,より急性期の限定した時間へと重点がシフトしてきている.
リハビリテーションの介入に関しても,廃用症候群の概念は変容してきている.麻痺肢不動化(immobilization)による骨格筋の変性は発症後数時間から生じて進行すること,時間的経過とともに発現する深部腱反射亢進,さらに痙縮はimmobilizationの反映であること2),運動麻痺の回復に寄与する最初のメカニズムとされる残存している皮質脊髄路の興奮性(corticospinal excitability)は急性期からの時間経過とともに減じて3か月で終了すること3),などが明らかにされてきている.そのため,急性期の内科的・外科的治療と並行した早期リハビリテーションの効果的な開始が一層必要と認識されてきている.
こうした背景のなかで,リハビリテーションスタッフには発症直後からの急性期評価を迅速かつ的確に施行することが求められている.本稿では,急性期リハビリテーションの開始と施行に必要な評価方法・スケールと,周知しておくべき画像所見に関して概観する.
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