Japanese
English
特集 認知症リハビリテーションのEBM
認知症短期集中リハビリテーション
Short term rehabilitation for dementia.
遠藤 英俊
1
,
佐竹 昭介
1
,
三浦 久幸
1
Hidetoshi Endo
1
,
Shosuke Satake
1
,
Hisayuki Miura
1
1国立長寿医療研究センター内科総合診療部
1National Center for Geriatrics and Gerontology
キーワード:
短期集中リハビリテーション
Keyword:
短期集中リハビリテーション
pp.445-447
発行日 2011年5月10日
Published Date 2011/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102063
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
認知症短期集中リハビリテーションとは,2006年4月の介護報酬改定により,介護老人保健施設の加算対象として承認されたリハビリテーションであり,介護サービスメニューの一つである.さらに2009年度介護報酬の改定で効果が検証され,その結果に基づき,発展的に改定された.現在では多くの介護老人保健施設をはじめ,通所リハビリテーション,療養病床においても認知症の方への介護サービスとして位置付けられ,発展してきている.2010年5月現在,介護老人保健施設の約5%の施設がこの加算の請求をしている.
しかしながら,その内容については今後も根拠に基づいた見直しが必要である.認知症治療の原則としては,薬物療法,なじみの環境,リハビリテーション,良質なケアがそろう必要がある.たとえば,これまでにも疫学調査などにより,運動の脳機能へのよい影響が報告されてきた.一方高齢者において,運動不足や歩行しない環境,すなわち身体活動を行わないことにより生じる多臓器の機能低下は廃用症候群と定義されている.つまり,過度の運動不足と認知症やうつの相関が指摘されている.さらに,身体活動が高いほど認知症の発症率は低いという疫学調査の結果がある.また,アルツハイマー型認知症の患者に対する運動は,身体面,心理面のいずれをも良好な状態に維持する可能性がある.これらの根拠をふまえて,短期集中リハビリテーションをさらに意義あるものに発展させる必要がある.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.