Japanese
English
特集 認知症リハビリテーションのEBM
診断と薬物治療の進歩
Advances in the diagnosis and treatment of dementia.
武田 章敬
1
Akinori Takeda
1
1独立行政法人国立長寿医療研究センター
1National Center for Geriatrics and Gerontology
キーワード:
アルツハイマー型認知症
,
血管性認知症
,
レビー小体型認知症
,
前頭側頭型認知症
Keyword:
アルツハイマー型認知症
,
血管性認知症
,
レビー小体型認知症
,
前頭側頭型認知症
pp.421-426
発行日 2011年5月10日
Published Date 2011/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102058
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はじめに
2003年に「高齢者介護研究会」がまとめた報告書「2015年の高齢者介護」において,要介護認定で要介護または要支援と判定された者のなかで「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱ以上の者(認知機能障害のために生活に支障のある者)は2002年9月末の時点で149万人であり,2015年には250万人に増加すると推計されている.また,「日本の世帯数の将来推計」において,高齢者世帯に占める高齢者単独・夫婦世帯の割合が増加しており,独居の認知症高齢者やいわゆる老老介護,認認介護が増加しつつあることが想定されている.認知症の人の特性として,記憶を中心とした認知機能障害に伴う生活機能の障害に加え,環境適応能力の低下があることから,環境の変化を避け,住み慣れた地域での生活を継続することが望ましいと言われている.認知症の人が住み慣れた地域で安心して暮らせるように支援を行うことは,すべての医療・介護関係者の務めと言っても過言ではない.
認知症の診断と治療に関して,新たな知見が集積しつつあり,2010年秋には「認知症疾患治療ガイドライン2010」1)が公表された.本稿では,認知症の診断と治療の現状,新たな知見,今後の方向性について概説する.
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