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脳梗塞患者に対する臨床研究
1.概要
2007年,自己血清を用いて自己の骨髄間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells;MSC)を培養し,病変がテント上であった脳梗塞患者12例を対象に静脈内投与を行い結果を集計した1,2).症例は,脳梗塞急性期の一般的な治療が終了した後の亜急性期にエントリーした.脳梗塞の原因としては,National Institute of Neurological Disorders and Stroke(NINDS)Ⅲの分類のいずれでも構わないとしたが,一般的な脳梗塞急性期臨床研究に準じて,小脳梗塞,脳幹梗塞などのテント下の梗塞は除外した.また,重症度に関しては,軽症例や極端な重症例は除外した〔具体的にはmodified Rankin Scale(mRS)が3〜5,かつJapan Coma Scaleが0〜100の患者を対象とした〕.
全症例「評価委員会」で検討・承認を受けた後,血液内科専門医によって局所麻酔下にて腸骨より骨髄液を数十mL採取し,専用の培養施設(cell processing center;CPC)内にて,2〜3週間で目標の細胞数である約1×108個まで培養を行った.培養終了後,細胞をいったん凍結し,安全性と品質性の検査を行い,合格したもののみ投与した.投与方法は,末梢静脈内に30〜60分かけて点滴静注した.症例の内訳は,男性9名・女性3名,年齢は41〜73歳(59.2±8.2歳),運動麻痺12名・失語症5名,それぞれ脳梗塞発症後36〜133日に細胞移植を行った.評価は一般検査のほか,画像診断学的検査(Magnetic Resonance Imaging;MRI)および臨床症状の評価〔National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS),mRS〕を行った.
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