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特集 ニューロエコノミクス(神経経済学)とは何か?――ヒトの価値観が生まれる脳の仕組みの理解とその先の未来
脳機能イメージングによる効用の個人間比較と再分配政策への応用
Interpersonal comparisons of utility by functional neuroimaging and its application to redistribution policy
松森 嘉織好
1
,
飯島 和樹
1
,
松元 健二
1
Kaosu MATSUMORI
1
,
Kazuki IIJIMA
1
,
Kenji MATSUMOTO
1
1玉川大学脳科学研究所
キーワード:
効用
,
制度設計
,
再分配
,
政策評価
,
機能的磁気共鳴画像法(fMRI)
Keyword:
効用
,
制度設計
,
再分配
,
政策評価
,
機能的磁気共鳴画像法(fMRI)
pp.149-153
発行日 2024年4月13日
Published Date 2024/4/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28902149
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過去四半世紀の間,経済学・心理学の手法を神経科学に導入することによって,意思決定の脳内プロセスについての研究はおおいに発展した.これはいわば,経済学・心理学から意思決定の神経科学への貢献である.一方,神経科学の手法の導入によって経済学への本質的な貢献があったとは,すくなくとも現状においては言い難い.本稿では,そのような神経科学から経済学への貢献を目指す例として,経済学におけるボトルネックである “効用の個人間比較” に,機能的磁気共鳴画像法(fMRI)によるヒト脳機能イメージング手法を使ってアプローチする筆者らの研究を紹介する.また,このアプローチが再分配政策の評価にどのように使えるかを議論することにより,経済的不平等や貧困といった社会問題の改善への糸口となりうることを提案する.
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