Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「ハート・ロッカー」―爆発物処理を担う兵士は,死の恐怖をどのように処理したか
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.793
発行日 2010年8月10日
Published Date 2010/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101839
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イラク戦争に材を取った「ハート・ロッカー」(監督/キャスリン・ビグロー)と「グリーン・ゾーン」(監督/ポール・グリーングラス)は,一連のベトナム戦争映画群と同じ構造であり,「またかよ」と言いたくなる.
アメリカは正義の旗のもと,しばしば他国に戦争を仕掛けるが,後に間違った戦争だったと反省することが多い.それでも兵士たちは戦場に投げ出されたままだ.その場合,個々の兵士にせり上がってくるテーマは,どのような思考回路をもって臨めばよいのか,どのように理不尽な状況と折り合いをつければよいのか,ということになる.
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