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傷ついた兵士をみとる
森 富久子
1
1社会福祉法人芙容会
pp.121
発行日 1970年8月1日
Published Date 1970/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914990
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満州事変から太平洋戦争へと,戦争が続く日本の時代。それがいまでも忘れられない時期なのです。昭和16年,婦長として召集された私は,門司で開戦を知りました。それは,シンガポール,タイ,ビルマなど南方と本国を結ぶ病院船に乗るために待機していたときだったわけです。
蘆構橋事件の年にも,上海,大連と本国を結ぶ病院船に8か月ばかり乗っていました。はじめての経験と,荒波で知られる東支邦海の船酔いは,すさまじいものでした。傷ついた人の看護よりも,まず船酔いとの闘いが始まったのです。
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