Japanese
English
ジュニアコース
拘束性換気障害
Restricive Ventiratory Disturbances
佐々木 孝夫
1
Takao Sasaki
1
1東北大学医学部中村内科
1Dept. of Internal Medicine, Tohoku Univ., School of Medicine
pp.505-511
発行日 1966年6月15日
Published Date 1966/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201605
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I.はじめに
拘束性換気障害の把握には,まず最初に,「拘束性」のもつ肺生理学的意味について理解する必要がある。
「拘束性」の言葉の起原は英語のrestrictiveにあって,このrestrictiveを肺機能障害の表現に用いた最初が,Baldwin,Cournand and Richards1)たちであった。
Baldwinらは1948年pulmonary insufficiencyを臨床的に分類しようとし,まずこれをventilatory in—sufficiencyとalveolocapillary insufficiencyに分類し,さらに,ventilatory insuffiiciencyをrestric—tive (拘束性),obstructive(閉塞性)と分類し,その特徴を述べている。restrictiveの障害とは「気道閉塞以外に原因があり,肺構造上の変化あるいは動的機能上の変化のため,肺の拡張(expansion),あるいは収縮(con—traction)が制限されて起こる換気能力の減少」であると定義している。この拘束性障害を起こす疾患としては,肺線維症およびその他の原因による肺弾性異常,肺うっ血,気胸,脊椎後側彎症などを取り計上げている。Baldwinらの概念では,その特徴は,肺の収縮(contr—action)制限が入っている点である。
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