Japanese
English
研究と報告
人工呼吸器装着患者に対する徒手胸郭伸張運動が肺メカニクスに及ぼす影響
The influence of pulmonary mechanics of the manual thoracic stretching in patients with mechanically ventilation.
横山 仁志
1
,
山川 梨絵
2
,
渡邉 陽介
3
,
横山 有里
2
Hitoshi Yokoyama
1
,
Rie Yamakawa
2
,
Yousuke Watanabe
3
,
Yuri Yokoyama
2
1聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部
2聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院リハビリテーション部
3聖マリアンナ医科大学東横病院リハビリテーション室
1Department of Rehabilitation Medicine, St Marianna University School of Medicine Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, St Marianna University School of Medicine Yokohama City Seibu Hospital
3Department of Rehabilitation Medicine, St Marianna University School of Medicine Toyoko Hospital
キーワード:
人工呼吸器装着患者
,
肺メカニクス
,
徒手胸郭伸張運動
Keyword:
人工呼吸器装着患者
,
肺メカニクス
,
徒手胸郭伸張運動
pp.469-473
発行日 2010年5月10日
Published Date 2010/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101771
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要旨:本研究の目的は,人工呼吸器装着患者に対する徒手胸郭伸張運動が肺メカニクスに及ぼす影響について明らかにすることである.対象は,人工呼吸器装着患者35例(70.5±10.4歳)とし,胸郭伸張運動前後の肺コンプライアンス,気道抵抗の変化について検討した.その結果,胸郭伸張運動によって肺コンプライアンス,気道抵抗とも有意な改善を認めた(p<0.05).さらに,運動時に分泌物の移動に伴って実施した気管内吸引の有無による肺メカニクスの変化の差異についても検討を加えた.気管内吸引非実施群(20例)では,いずれの指標も有意な変化を認めず,気管内吸引実施群(15例)においてのみ双方の指標に有意な改善が認められた(p<0.05).よって,人工呼吸器装着患者に対する徒手胸郭伸張運動は,肺メカニクスに好影響を及ぼす可能性が示唆されたが,その影響は,運動に伴う気道内分泌物の除去に起因するものと推察された.
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