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実践講座 精神・神経系薬物療法の知識・3
現在進行形の抗不安薬・睡眠薬―身近な向精神薬の現況
The developing anxiolytics and sleeping drugs: today's situation of familiar psychotropic drugs.
橋本 学
1,2
Manabu Hashimoto
1,2
1独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター
2産業医科大学リハビリテーション医学講座
1National Hospital Organization Hizen Psychiatric Center
2Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
ベンゾジアゼピン系薬物(BZD)
,
GABA-A受容体
,
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
,
セロトニン系抗不安薬
Keyword:
ベンゾジアゼピン系薬物(BZD)
,
GABA-A受容体
,
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
,
セロトニン系抗不安薬
pp.249-256
発行日 2010年3月10日
Published Date 2010/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101725
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はじめに―敷居の低い向精神薬
かつて精神科治療の敷居ははるかに高かった.しかし今日では,メンタル・クリニックを標榜する医療機関をみつけることは難しいことではなくなった.多くの人々が,精神的悩みをかかえてクリニックの門をくぐっている.そこで多く処方されるのが,抗不安薬や睡眠薬である.これらの薬物は,メンタル・クリニックのみならず,すべての臨床分野で処方されている薬物といっても過言ではない.現在,抗不安薬・睡眠薬と呼ばれている薬物のほとんどはベンゾジアゼピン系薬物(BZD),ないしはその類似化合物である.これらの薬物のうち,抗不安作用が強く,不安に対する治療目的で用いられるものを抗不安薬と呼び,催眠作用が強く,睡眠をとるために用いられるものを睡眠薬と呼んでいる.
本稿では,BZDを中心に,抗不安薬・睡眠薬の基本的な作用,副作用や今日的な問題点について述べる.
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