Japanese
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特集 関節リウマチの治療―薬物療法を中心に
―薬物療法の実際―生物学的製剤
Biologics.
野々村 美紀
1
,
宮坂 信之
2
Yoshinori Nonomura
1
,
Nobuyuki Miyasaka
2
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科薬害監視学(膠原病・リウマチ内科)
2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科膠原病・リウマチ内科学
1Department of Pharmacovigilance, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University
2Department of Medicine and Rheumatology, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
関節リウマチ
,
生物学的製剤
Keyword:
関節リウマチ
,
生物学的製剤
pp.237-243
発行日 2010年3月10日
Published Date 2010/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101723
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はじめに
関節リウマチ(RA)は,多関節炎を特徴とする全身性炎症疾患である.まず関節滑膜にT細胞,マクロファージなどが浸潤して,腫瘍壊死因子(TNF),インターロイキン(IL)-6などの炎症性サイトカインを放出し,炎症が起こる.次に,炎症刺激により滑膜が増殖し,パンヌスを形成する.最終的にはパンヌスにおける破骨細胞分化や骨吸収能の亢進,蛋白分解酵素〔マトリックスメタロプロテアーゼ3(MMP3)など〕の産生による軟骨傷害などにより,関節破壊に至る(図1).
欧米では1990年代後半,本邦では2003年にRAに対する生物学的製剤が初めて承認され,わが国では既に5万人以上のRA患者が治療を受けている.生物学的製剤はTNFαやIL-6などの作用を阻害して抗炎症作用を発揮するのみならず,関節破壊の抑制や身体機能の改善においても優れた治療成績をあげている.本稿では,RAにおける各生物学的製剤の適応,使用時の留意点,副作用とその対策について概説する.
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