Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「サンシャイン・クリーニング」―ADHD系家族の仕事と生活
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.1181
発行日 2009年12月10日
Published Date 2009/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101669
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「サンシャイン・クリーニング」(監督/クリスティン・ジェフズ)は,多分にADHD(注意欠陥多動性障害)的な性質を有する家族の物語である.しっかり者の姉ローザとADHD系の妹ノラという設定は,「イン・ハー・シューズ」と同型だが,姉の一人息子オスカーが特別学級への入級や精神科の診察を勧められるほど行動に問題があるし,姉妹の父親ジョーも,一攫千金を夢みて新手の商売を始めては失敗したり,新奇性に富んだ変わり者である.ローザにしても,高校時代はチアリーダーでアイドルだったが,現在はシングルマザーで,妻子あるかつての恋人と不倫中.それぞれどっこいどっこいである.
ノラは,不注意による失敗が多くどんな仕事も長続きしない.自己管理が苦手で,朝も自分で起きられない.強い刺激を求め,ドラッグや即物的なセックスに興じる.その一方,甥のオスカーを可愛がる.ADHD特有のもてなし系キャラクターの片鱗をみせてくれる.
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