Japanese
English
調査
中高年者における肥満と健康関連QOLの検討―男性と女性の相違に関する一考察
A gender-related study of the relationship between obesity and health-related QOL in middle-aged and elderly subjects.
花岡 秀明
1
,
村木 敏明
2
,
岡村 仁
1
,
矢倉 千昭
3
,
乃木 章子
4
,
岩本 麻実子
5
,
塩飽 邦憲
5
Hideaki Hanaoka
1
,
Toshiaki Muraki
2
,
Hitoshi Okamura
1
,
Chiaki Yagura
3
,
Akiko Nogi
4
,
Mamiko Iwamoto
5
,
Kuninori Shiwaku
5
1広島大学保健学研究科心身機能生活制御科学講座
2茨城県立医療大学保健医療学部作業療法学科
3国際医療福祉大学福岡リハビリテーション学部理学療法学科
4山口県立大学生活科学部栄養学科
5島根大学医学部環境予防医学
1Department of Physical Therapy and Occupational Therapy Sciences, Graduate School of Health Sciences, Hiroshima University
2Department of Occupational Therapy, Ibaraki Prefectural University of Health Sciences
3Department of Physical Therapy, School of Rehabilitation Sciences at Fukuoka, International University of Health and Welfare
4Department of Human Nutrition, Faculty of Nursing and Human Nutrition, Yamaguchi Prefectural University
5Department of Environmental and Preventive Medicine, Shimane University School of Medicine
キーワード:
中高年者
,
肥満
,
生活の質(QOL)
Keyword:
中高年者
,
肥満
,
生活の質(QOL)
pp.1167-1173
発行日 2009年12月10日
Published Date 2009/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101665
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要旨:本研究の目的は,肥満と健康関連QOLとの関連を明らかにし,肥満予防に対する示唆を得ることである.30歳以上の,地域で暮らす中高年者176名(男性47名,女性129名)を対象に,健康関連QOLを測定するSF-36を用いて,男女別に肥満との関連について検討を行った.その結果,BMIと関連が認められたSF-36のサブスケールは,男性では,精神的な健康を示すSF(社会生活機能)とRE(日常役割機能・精神)であり,女性では,身体的な健康を示すPF(身体機能)のみであった.つまり,肥満者(25≦BMI)は,適性体重者(18.5≦BMI<25)と比較して,男性では家族や友人などとの付き合いが妨げられ,仕事や日常生活の活動でも問題があると感じ,女性では移動などで困難さを感じていることが示された.以上のことから,軽度な肥満者であっても,健康関連QOLの低下を招く可能性が示唆され,今後は男女の特性を踏まえた取り組みの必要性が明らかとなった.
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