特集 上肢運動器疾患—若年者と中高年者の特徴
肩峰下インピンジメント—若年者と中高年者の違い
上田 泰之
1,2
Yasuyuki Ueda
1,2
1信原病院リハビリテーション科
2京都大学大学院人間健康科学系専攻
キーワード:
肩峰下インピンジメント
,
オーバーヘッドスポーツ
,
中高年者
Keyword:
肩峰下インピンジメント
,
オーバーヘッドスポーツ
,
中高年者
pp.561-567
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201569
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はじめに
肩峰下インピンジメントとは,上肢挙上時に肩峰や烏口肩峰靱帯に肩腱板付着部や肩峰下滑液包が圧迫されることで疼痛を起こす病態である.その原因として上腕骨頭の上方偏位や,肩甲骨上方回旋・後傾・外旋運動の減少(図1),肩腱板腱端部の腫大などが挙げられ,若年者から中高年者まで幅広くみられる.さらにこれらの要因として,肩腱板機能の低下,肩関節包の短縮,前鋸筋・僧帽筋下部線維の機能低下,小胸筋の短縮,肩関節不安定性,胸椎後彎アライメント,胸椎柔軟性の低下が挙げられる.また肩腱板腱端部・肩峰下滑液包の腫大は,肩峰下インピンジメントの結果として起こると考えられるが,これらの要因によりさらに肩峰下インピンジメントのリスクは増大し,悪循環に陥っていく(図2).本稿では肩峰下インピンジメントの原因について,若年者と中高年者に共通する点,異なる点をそれぞれ述べる.
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