Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「精神」―小さな精神科診療所に光を当てる
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.971
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101621
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映画監督 想田和弘は,自身のドキュメンタリー作品を「観察映画」と称している.その意味するところは,作者のメッセージ性を排除し,観客に自由に感じてもらい,解釈してもらうということだ.
前作「選挙」で観察対象になったのは,2005年の小泉旋風に乗る形で市議補選に立候補した40歳,切手コイン商 山内和彦の選挙戦である.奮戦する山内とそれを支える自民党のメンバー.観客もいつしか山内に勝利して欲しいと願うようになる.その一方,空文句ともいえる「改革」の連呼だけで当選することへの疑念も湧いてくる.つまり,自民党のプロパガンダ(宣伝)ともとれるし,「コイズミ」という熱に浮かされ,忘我状態になった人々を描いたともとれるのだ.
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