筋緊張評価におけるhand-held dynamometerを用いた他動的関節抵抗トルクの妥当性

Validity of the passive resistive joint torque by hand-held dynamometer of evaluation for muscle tone.

要旨：脳血管障害片麻痺患者の足関節底屈筋を対象に，筋緊張評価におけるhand-held dynamometerを用いた他動的足関節背屈抵抗トルク（背屈抵抗トルク）のModified Tardieu Scale（MTS）に対する基準関連妥当性を検討した．結果，背屈抵抗トルクとR1，R2の間に相関を認めず（r＝－0.04～0.10），quality of muscle reaction（QMR）の間に弱い正の相関（r_S＝0.22～0.38）を認めた．背屈抵抗トルクのMTSに対する基準関連妥当性は低いと考えられた．要因として，背屈抵抗トルクは力学的特性，R1とR2は形態学的特性，QMRは力学的特性と神経学的特性という異なる対象を測定すること，加えて背屈抵抗トルクとR2は最大伸張位，R1は伸張反射が生じる筋長，QMRは最大短縮位から最大伸張位という異なる筋長で測定することが考えられた．