Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「彼女の名はサビーヌ」―精神科での失敗例から学ぶ
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.683
発行日 2009年7月10日
Published Date 2009/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101557
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発達障害なのに精神障害として診断・対応されることで状態が悪化している,という声をしばしば耳にする.例を挙げれば,統合失調症と診断された患者が,実は発達障害の二次障害であり,薬が合わないために症状が改善されず,長期入院になってしまったというような話だ.精神科医療の一部では発達障害に対する適切なアプローチがいまだにできていない,という疑いを発達障害者支援の関係者が抱いているのだ.言うまでもないが,発達障害とは自閉症,アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害,学習障害,注意欠陥多動性障害などのこと.
フランスを代表する女優サンドリーヌ・ボネールが監督,撮影した「彼女の名はサビーヌ」は,1歳下の自閉症の妹を被写体にしたドキュメンタリーであり,不適切な精神科医療の結果を描いている.
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