映画の時間
―口を開けば罵詈雑言.凶暴で頑固でおせっかい.キュートな彼女は,70歳のおばあちゃん?―怪しい彼女
桜山 豊夫
pp.579
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401103081
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高齢社会を迎えつつある国が増えているせいか,最近,高齢者を主人公にした映画が増えているような気がします.今月ご紹介する韓国映画「怪しい彼女」の主人公も,70歳を迎えた老婆?ですが,他の映画とは,やや切り口が違っています.
国立大学で老人問題の講義をしている教授は,主人公オ・マルスンの自慢の息子です.マルスンは夫に先立たれ,女手ひとつで,苦労をしながら息子を育てました.70歳を迎えた今も,息子の勤務する大学のカフェテラスで働いています.長谷川町子の「いじわるばあさん」を思い出すような彼女を,カフェテラスのパク店長は「お嬢さん」と呼んで優しく見守っています.パク店長が若い頃に奉公していた家のお嬢さんがマルスンのようですが,今はまったくお嬢さんという風情ではありません.でもそんなマルスンにパク店長は秘めたる恋心を抱いているようでもあります.
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