Japanese
English
特集 国際交流・協力
障害児教育と国際交流
International exchanges in the field of education of children with disabilities in Japan.
西牧 謙吾
1
,
中澤 惠江
1
,
笹本 健
1
Kengo Nishimaki
1
,
Megue Nakazawa
1
,
Ken Sasamoto
1
1独立行政法人国立特別支援教育総合研究所
1National Institute of Special Need Education
キーワード:
障害児教育
,
国際交流
,
国際貢献
,
国立特別支援教育総合研究所
Keyword:
障害児教育
,
国際交流
,
国際貢献
,
国立特別支援教育総合研究所
pp.613-617
発行日 2009年7月10日
Published Date 2009/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101545
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はじめに
現在,わが国の障害児教育分野で行われている国際交流には,ユネスコを中心とした活動1),JICAの草の根技術協力事業2)やODA3)(政府開発援助)による活動のほか,民間団体の草の根国際交流など,さまざまな形態がみられる.その他に国際機関として,OECD(経済協力開発機構)も,障害児教育と関わりが深い4).
障害児教育についての国際動向で注目すべき動きの一つが,ユネスコのサラマンカ声明(1994年)である5).サラマンカ声明はインクルージョンを,障害児教育の改革としてではなく,教育全体の改革として,障害児教育と通常の教育のパートナーシップによって実現しようと提言している.サラマンカ声明は,WHO(世界保健機関),ユニセフやOECDなど,他の国際機関にも支持されており,これ以降,国際機関による障害児教育に関する支援の内容が大きく変わったと言える.発展途上国だけでなく先進諸国にも大きな影響を及ぼし,日本でも2007年より導入された,特別支援教育への移行に際して大きな影響を与えた6).日本から国際協力を行う際に,その国の障害児教育体制を理解するうえで重要な考え方である.
本稿では,国際交流の具体例として,筆者が所属する独立行政法人国立特別支援教育総合研究所(以下,当研究所)の国際交流活動を中心に,障害児教育における国際交流のあり方を紹介したい.
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