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編集後記
吉
pp.388
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101498
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最近,中国の古典を読み始めました.きっかけは単純で,私の好きな著名人がメディアで度々,若いうちに読んでおくように勧めるので,「そんなに勧めるなら」と,とりあえず「孟子」や「菜根譚」のハイライトを集めたようなものから始めました.古典の読者にはビジネスマンが多いと聞いていますが,得た知識の即効性を期待するよりも,思考の原理原則を学んだり,確かな視点を身につけたいと考える人が多いのかもしれません.
今月号の巻頭言『研究力と臨床力』では,最近の若い医師は,研究よりも技術を身につけたがるが,長い人生のうちで研究に費やす時期があってもよいのではないか,という意見を紹介したうえで,「臨床のなかで,いかに研究的視点をもち,自己検証的に業務を行うか」,「確かな研究力を礎に臨床を実践していく」ことについて書かれています.新たな「視点」を身につけるのは簡単ではないし,すぐに特定の状況には役立たないこともありますが,長い人生で必要ならば,回り道に思えても身につけておくべきものがあると思います.「急がば回れ」ということわざもありますし.
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