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編集後記
吉
pp.288
発行日 2009年3月10日
Published Date 2009/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101477
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毎年,この時期に楽しみにしているものに「サラリーマン川柳(サラ川)」があります.過去の当選作品を遡れば,「脳トレ,イナバウアー,ヨン様」など,その時々の流行や世相が思い出されます.今年の第22回当選作品には「ポニョ」や「アラフォー」などが入っていました.ちなみに,ポニョのことを知らない父は「ポニョポニョ」と言われると,「昔よりは痩せたと思うけど」と毅然と抗議し,一家の主としての威厳を保っております.「サラ川」当選作品はユーモアたっぷりで面白いので,落選作品の内容も気になります.応募総数約2万のなかから当選するのは100首だけなので,落選作品のほうがある意味,世相(というより人々の本音?)を反映しているのではと思ったからです.しかし,そのなかにはブラック過ぎて「川柳」とは言えないものもありそうです.辛辣な発言や文章は,聞いた瞬間は反射的に笑えてもあまり後味のよいものではありません.やはり,「サラ川」にはipodをお湯のポットだと思っているおばあちゃんが登場するほのぼのとした作品が相応しいのではないでしょうか.自嘲やブラックユーモアは毒の匙加減が難しいので,外に出さずに胸にしまって自分で消化するべきものだと思います.
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