Japanese
English
研究と報告
半側空間無視症例の選択的注意に対するプリズム順応の影響
Influence of prism adaptation to selective attention in patients with unilateral spatial neglect.
渡辺 学
1
,
網本 和
2
Satoru Watanabe
1
,
Kazu Amimoto
2
1北里大学北里研究所メディカルセンター病院リハビリテーションセンター
2首都大学東京健康福祉学部理学療法学科
1Rehabilitation Center, Kitasato University Kitasato Institute Medical Center Hospital
2Department of Physical Therapy, Faculty of Health Sciences, Tokyo Metropolitan University
キーワード:
半側空間無視
,
選択的注意
,
プリズム順応
Keyword:
半側空間無視
,
選択的注意
,
プリズム順応
pp.151-156
発行日 2009年2月10日
Published Date 2009/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101446
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:〔目的〕半側空間無視では,病巣と反対空間における刺激に反応が欠落するが,病巣と同側空間における認知処理も正常に機能していない可能性が考えられる.半側空間無視の治療介入として用いられるプリズム順応は,方向性注意を変容させ,症状を改善させるとされているが,病巣同側空間での認知処理にも影響を与えるかは明らかになっていない.今回われわれは,左半側空間無視を有する急性期脳血管障害を対象に,プリズム順応が選択的注意に影響を与えるか検証した.〔対象〕対象は左半側空間無視を合併し,座位姿勢でリーチ動作が可能な脳血管障害患者12症例である.〔方法〕プリズム順応法を行い,その直前・直後に選択的注意課題として文字抹消試験を実施した.〔結果〕前頭葉損傷例では,病巣同側である右側での抹消数の改善がみられた.〔結語〕このことから,プリズム順応は症例により反応が異なるが,選択的注意にも影響を与える可能性があることが示された.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.