Japanese
English
特集 筋力と筋持久力
高齢者
Muscle strength and endurance in elderly people.
江口 清
1
Kiyoshi Eguchi
1
1筑波大学大学院人間総合科学研究科疾患制御医学専攻
1Graduate School of Comprehensive Human Sciences, University of Tsukuba
キーワード:
サルコペニア
,
運動
,
筋肥大
Keyword:
サルコペニア
,
運動
,
筋肥大
pp.651-656
発行日 2008年7月10日
Published Date 2008/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101286
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はじめに
高齢になると筋力や筋持久力が次第に低下する.筋力が低下すると転倒の危険性が高まるなどQOL(quality of life)を低下させる要因が増える.加齢に伴う筋力低下,筋萎縮,筋持久力低下のメカニズムを解明し,その対策を考えることは,とくに人口の高齢化が急速に進行する社会においては,重要課題である.
昨今,筋力トーニングが高齢者の間にも浸透しつつある事実は,筋力の問題がある程度可逆的であり,トレーニングにより改善し得ることの実証に基づいている1).しかし,筋は単独で機能する器官ではなく,介入にあたっては,骨や関節を含む運動器全体,あるいは神経系,呼吸・循環系,代謝系さらには心理状態を含めて,対象とする人全体について考慮する必要がある.ライフスタイルが多様であるのみならず,個体差が大きいことは高齢者の特徴であり,考慮すべき点は多数あるが,ここでは,加齢による筋の変化とその対策について焦点を絞り概説する.
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