Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「Life 天国で君に逢えたら」,「卒業写真」,「象の背中」―逝く者が残る者たちに贈る物
二通 諭
1
1石狩市立花川南中学校
pp.407
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101234
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癌に冒されても,なお仕事を続け,充実した生活を創ろうとする気風が広がっている.生活しながら病気と闘うとでも言おうか.そうだとしても,あと半年とか,あと3か月の命であると宣告され,勢い余命期間の生活の組み立てを考えざるを得ない場合もある.いわば,死を前にして自分の人生にどう決着をつけるかということなのだが,近頃,この種の作品が連発されている.死のドラマが病気のみというのは,戦争やテロ,飢餓に晒されていない日本人の現在位置を示しており,平和に暮らしているということの証左でもある.
それにしても身につまされる話でなければ共感を呼ばない.「眉山」の宮本信子,「Last Love」の田村正和とくれば,若い世代とは言い難く,しみじみ系になってしまうのだが,以下の3作はバリバリの30代,40代である.志半ばの無念さもあれば,残された家族の悲嘆度も大きい.
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