Japanese
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研究と報告
片麻痺患者の着衣動作時における視覚的手がかりの関与状況―固視回数・固視時間・固視点・課題達成の有無からの検討
The influence of a visual clue in dressing actions of adult hemiplegia: survey on frequency, duration, position of fixation points
鈴木 由美
1
,
藤井 浩美
2
,
佐竹 真次
2
,
福田 恵美子
2
Yumi Suzuki
1
,
Hiromi Fujii
2
,
Shinji Satake
2
,
Emiko Fukuda
2
1公立置賜総合病院リハビリテーション科
2山形県立保健医療大学
1Okitama Public General Hospital
2Yamagata Prefectural University of Health Sciences
キーワード:
眼球運動
,
着衣動作
,
成人片麻痺
Keyword:
眼球運動
,
着衣動作
,
成人片麻痺
pp.375-384
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101227
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要旨:本研究は,片麻痺患者の着衣動作を困難にしていると考えられる一要因を,動作中の眼球運動の分析から検討することを目的とした.対象は,高次脳機能障害や認知症,失調症がない片麻痺患者5名(右片麻痺2名,左片麻痺3名)とした.実験課題は,被験者に眼球運動計測装置のアイカメラヘッドユニットを装着し,たたんである黄緑色無地の前開き長袖シャツを広げて袖を通す動作を行った.分析は固視回数,固視時間,固視点について行った.結果は,片麻痺患者は固視回数は多いが固視する範囲は広がりにくかった.シャツの部位別でみると,タグを固視することは少なく,襟・前立てを中心に同部位を繰り返し固視する傾向があった.また,非麻痺側手を中心とした被験者自身の身体への固視が多くみられた.これらのことから,片麻痺患者は,視覚情報本来の役目である運動の予測や誘導,記憶に基づいた運動の企画を行いにくい状況である,と推察する.
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