Japanese
English
特集 バランスと協調運動
協調運動の障害に対する理学療法のポイント
Physical therapy for coordinated dysfunction and balance disorder.
内山 靖
1
Yasushi Uchiyama
1
1名古屋大学医学部保健学科理学療法学専攻
1Nagoya University School of Health Sciences
キーワード:
協調運動の障害
,
共同運動
,
バランス
,
症候障害学
,
理学療法
Keyword:
協調運動の障害
,
共同運動
,
バランス
,
症候障害学
,
理学療法
pp.133-139
発行日 2008年2月10日
Published Date 2008/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101176
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
協調運動は,効率的な動きを保証する生体機構の現れとして,発達や学習によって向上し,加齢や疾患で低下する機能である.協調運動の障害を,複数筋の時間的,空間的な調和の乱れによって出現する非効率な運動として広くとらえると,実に多くの現象と病態が当てはまる.他方,神経学的に狭義の協調運動障害は,主な責任病巣といくつかの検査・鑑別方法が整理されている.すなわち,広義の協調運動の障害と,狭義の協調運動障害とでは病態,評価,介入方法に異なる部分がある.また,発達性協調運動障害は,発達の過程でみられるさらに広範囲の障害を意味している.
協調運動とその障害をどのようにとらえるのかは,関連する用語集や書籍・事典などをみる限り,領域によってその定義や扱う範疇は幾分異なっている(表1)1-5).
本稿では,協調運動の障害について生理学・神経学的な定義を尊重しながら,理学療法,リハビリテーション医学で重要な動作学的な視点から,治療指向的な病態の理解と評価・介入方法のポイントを示す.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.