巻頭言
総合リハビリテーションの初心にもどろう
上田 敏
1
1日本障害者リハビリテーション協会
pp.5
発行日 2008年1月10日
Published Date 2008/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101151
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昨年(2007)10月に「第30回総合リハビリテーション研究大会」が東京で開催された.この会は1977年に「リハビリテーション交流セミナー」という名ではじまり,1987年から現在の名称になった.趣旨は初めから全く同じで,当時も今もリハビリテーション(以下,リハ)といえば医療だけの「機能回復訓練」と考えられがちなものを,職業・社会・教育・医療その他の分野の協力による,障害のある人の生活・人生(今で言えば「生活機能」全体)の向上のための総合的なサービスと捉えて,それらが相互の関連なしに行われがちなのを,何とか従事者の間の交流を盛んにして,総合的なリハ事業を実現したいと考えてのものであった.
最初にこのような会を提案したのは職業リハの先駆者の一人である小川 孟(はじめ)さんであった.それに賛同した十数人の発起人が,まず予定の会費を出し合い,それを準備資金にあてて会合を重ねて準備した.
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