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研究と報告
わが国における高齢者のQOLに関連する環境要因の文献学的検討―KJ法を利用した環境要因の分類
Literature study of environmental factors related to quality of life in the Japanese elderly:a classification of environmental factors using the KJ method.
籔脇 健司
1
,
繁田 雅弘
1
,
山田 孝
1
Kenji Yabuwaki
1
,
Masahiro Shigeta
1
,
Takashi Yamada
1
1首都大学東京健康福祉学部作業療法学科
1Division of Occupational Therapy, Faculty of Health Sciences, Tokyo Metropolitan University
キーワード:
高齢者
,
環境
,
QOL
,
KJ法
Keyword:
高齢者
,
環境
,
QOL
,
KJ法
pp.911-918
発行日 2007年9月10日
Published Date 2007/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101041
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要旨:本研究の目的は,文献研究を通してわが国における高齢者の生活の質(quality of life;QOL)に関連する環境要因を検討することである.対象文献は1995年から2005年に発表され,高齢者のQOLと環境要因の関連性が量的・質的に検討されていた12編とした.そこからQOLに関連する環境要因に該当する71枚のラベルを作成し,KJ法によって整理した結果,16項目が高齢者のQOLに関連する環境要因として抽出された.これらの要因は,さらに「社会的領域」,「物理的領域」,「制度的領域」,「情報的領域」,「宗教的領域」という5つのメインカテゴリーに分類された.この5領域16項目の環境要因で構成される本研究の分類は,国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health;ICF)などの既存の分類と対応する部分が多いことから,一定の内容的妥当性を備えているものと判断される.さらに,既存の分類では完全に網羅されていない情報的領域を明確に捉えていることから,わが国の高齢者を取り巻く環境をより包括的に捉えた内容である可能性が示唆される.
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