Japanese
English
実践講座 リハビリテーションにおける精神症状への対応・3
不穏・興奮
Unrest and excitement.
小畑 信彦
1
Nobuhiko Obata
1
1秋田県立リハビリテーション・精神医療センター神経・精神科
1Akita Prefectural Rehabilitaion and Psychiatric Center
キーワード:
振戦せん妄
,
躁病
,
興奮患者
,
身体拘束
Keyword:
振戦せん妄
,
躁病
,
興奮患者
,
身体拘束
pp.589-594
発行日 2007年6月10日
Published Date 2007/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100966
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はじめに
リハビリテーション場面において,ある精神症状に対して精神科的対応が必要なことがあるが,この問題に関してのまとまった著述は少ない.今回は,臨床から得た経験を基礎に精神医療一般で知られている精神科的知識と技術を加えて,不穏・興奮への対応について紹介したい.読者対象としては,院内で精神科医へのコンサルテーションが困難な状況でリハビリテーションを行っている比較的若い世代の医師,およびコメディカルスタッフを考えた.
リハビリテーション場面での不穏・興奮の多くはせん妄由来と考えられ,一部は通過症候群(後述),残りはその他となるだろう.せん妄については本連載別稿で取り上げられる予定である.通過症候群については,それについての一定の特有の対処法があるのではなく,そのときの症状に合わせて対症的に対応することになるであろう.
ここでは,あまり経験しないが特殊な精神科的知識が必要な場面への対応を中心として記載する.というのは,そのような事態は比較的稀だが,対処法を知らないと病棟が大混乱になることがあり,また,その知識は前述の通過症候群への対応などに応用ができるからである.
器質性精神障害への対応一般については,本誌における「リハビリテーションにおける精神科的対応」の特集(2000年11月)において述べ,そのなかで,不穏・興奮の対応について簡単に触れた.その後の薬物療法の進歩により,今回の内容はそれと一部異なることをお断りしたい.
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