寛解を目指す膠原病診療 特殊な状況と合併症への対応
ステロイド精神病
西村 勝治
1
1東京女子医科大学 精神医学
キーワード:
Steroids
,
抗精神病剤
,
うつ病
,
危険因子
,
精神病-物質誘発
,
躁病
,
多剤併用療法
,
発生率
,
DSM
,
服薬管理
Keyword:
Bipolar Disorder
,
Depressive Disorder
,
Drug Therapy, Combination
,
Risk Factors
,
Psychoses, Substance-Induced
,
Steroids
,
Antipsychotic Agents
,
Incidence
,
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders
,
Medication Therapy Management
pp.91-95
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013227269
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ステロイドは精神症状の発症リスクがもっとも高い薬剤の一つであり,自殺のリスクは7倍に上昇する.気分障害(躁病,うつ病,混合性の各エピソード),精神病性障害,せん妄,軽度認知障害など多彩な臨床症状を呈する.急速・高用量投与時には躁病エピソードが,長期投与ではうつ病エピソードが生じることが多い.ステロイド誘発性精神障害(CIPD)の発症は用量依存的であるため,治療の原則はステロイドの減量・中止である.対症療法として,躁病エピソードには抗精神病薬や気分安定薬が適応となる.うつ病エピソードには慎重に選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を用い,三環系抗うつ薬を使用しない.せん妄,精神病性障害には抗精神病薬を用いる.精神科医との連携が欠かせない.
©Nankodo Co., Ltd., 2013