Japanese
English
研究と報告
脳血管障害後の高次脳機能障害と脳血流量について―99mTc-HMPAO SPECT study
Cerebral blood flow and higher brain dysfunction in patients with cerebral vascular disease: 99mTc-HMPAO SPECT study.
白石 英樹
1,4
,
張 家正
2
,
権藤 学司
3
,
菅野 洋
3
,
山本 勇夫
3
,
小林 隆司
1,5
,
斉藤 豊和
1
Hideki Shiraishi
1,4
,
Chia-cheng Chang
2
,
Gakuji Gondou
3
,
Hiroshi Kanno
3
,
Isao Yamamoto
3
,
Ryuji Kobayashi
1,5
,
Toyokazu Saitou
1
1北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科作業寮法学専攻
2横浜南共済病院脳神経外科
3横浜市立大学医学部脳神経外科教室
4現・茨城県立医療大学保健医療学部作業療法学科
5現・神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部リハビリテーション学科
1Occupational Therapy course, Faculty of Rehabilitation, Kitasato University School of Allied Health Sciences
2Department of Neurosurgery, Yokohama Minami Kyosai Hospital
3Department of Neurosurgery, Yokohama Minami City University School of Medicine
キーワード:
脳血管障害患者
,
高次脳機能障害
,
脳血流量
Keyword:
脳血管障害患者
,
高次脳機能障害
,
脳血流量
pp.571-577
発行日 2003年6月10日
Published Date 2003/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100785
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はじめに
近年,脳卒中や脳腫瘍,頭部外傷など脳に損傷を負うことにより発症する高次脳機能障害に対する関心が高まり,さまざまな領域から研究報告が行われている.高次脳機能障害と脳損傷部位との関係に関する研究は,CTやMRIなどの解剖学(形態学)的画像からシングルフォトン断層撮影(SPECT)やポジトロン断層撮影(PET),機能的磁気共鳴画像(fMRI)などの機能的画像へと進展し,脳損傷後の高次脳機能障害を脳血流量(CBF)や脳酸素消費量(CMRO2),グルコース代謝(CMRglc)等の面から研究され,多くの報告がなされている1-7).この高次脳機能障害と脳循環代謝(CBF,CMRO2,CMRglc)の関連について,関連ありとする報告8,9),関連なしとする報告1,10,11)があり,また疾患によってもさまざまである.
今回,われわれはリハビリテーション領域でもっとも多く関わる脳血管障害患者を対象に,Strub RLとBlack FWの痴呆用高次脳機能検査12,13)とSPECTによるCBFの測定を行い,脳血管障害における疾患別(脳梗塞,脳出血,くも膜下出血)による高次脳機能障害の程度,高次脳機能障害とCBFとの関連性について調査,検討を行ったので報告する.
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